2025-06

短編 List-1

逢魔時

鏡の向こう側は『向こう側』へと続いている。『向こう側』からの来訪者はそう言って笑った。「黄昏時に『鏡』をのぞくのはやめておくがいい。あれはともかくお前はいい匂いがする。すぐに見つかるぞ」 どうせ連れて行くなら賢しいばかりの小僧より可愛げのあ...
短編 List-1

立てこもり中にお邪魔します

不足の事態に備えて持っておきなさい。以前、対魔術用の護身グッズとして贈られたオリハルコニウムの指輪とは別に渡されたキーホルダー。付属のボールペンはガラスブレイカーとして使うことができキャップの中にはチタン製のナイフが仕込んである。「まさかこ...
日記

2025/06/18 短編 index No.1のお引っ越し完了まで

残るは以下、5本。市井の人逆鱗あなたに贈る逢魔時立てこもり中にお邪魔します なので明日明後日には完了させたい——が、「あなたに贈る」と「逆鱗」が長いので実際はもうちょっとかかるかもしれない。今計算したら「逆鱗」約1万字だったの……。「あなた...
短編 List-1

言の葉、今足りて

「お前には関係ないだろうがっ‼」 売り言葉に買い言葉だった。そう、ただの売り言葉に買い言葉。けれど、どうしてもそれだけは聞き流せなかったのだ。「関係ない?」 そんなことがあるものか。今回の一件には間違いなくあの邪神が絡んでいるのだ。なのにど...
短編 List-1

密約

収賄罪成立。 密約の対価はラングランでも有数の高級ホテルで催されている期間限定スイーツビュッフェの招待チケットであった。「うわぁ、あからさまな買収だあ!」 差出人不明の「賄賂」にミオは笑いを隠せない。よほど秘密にしておきたいらしい。「まあ、...
夏の庭

Grok君が「夏の庭」を読みました。

分析結果を読み終えて一言。 あ、ハイ。すみません、そこまで深く考えてませんでした。 うっかり正座しそうになった深夜デス【前日譚】第一章 飛行機雲はもう見えない第二章 君が指さす星空は第三章 夏空とヒマワリと入道雲とこの小説の抜粋を読んで、ま...
短編 List-1

泣き顔

しくじった。もとから計画していたのだろう。任務の帰りいつも通り道に迷っていたところを狙い撃ちにされたのだ。聞いた覚えもないどこぞのテロリストだった。相手の技量からしてかんたんに回避できる程度の攻撃だったが不運にも状況がそれを許さなかった。背...
短編 List-1

CAT ISLAND

本日三月一四日。 日本某県某島。通称「猫島」埠頭にて日本出身ラ・ギアス在住の風の魔装機神サイバスター操者マサキ・アンドーは非常に気まずい雰囲気に見舞われていた。原因は八センチ頭上からマサキを見下ろしてくる視線である。「猫島ですか」「猫島なん...
短編 List-1

お手入れしましょう!

それは手のひらに収まる程度の丸いデザイン缶に入ったクリームだった。蓋には蝶と戯れる三毛猫が描かれている。不思議そうに蝶を見上げるその表情は好奇心が旺盛な誰かを思わせるようでとても微笑ましい。「何だ、お前も使うのか?」 缶の持ち主が意外そうに...