長編・シリーズ

WONDERLAND

エンディング

エンディング 怪我の度合いを考えれば当然の結果ではあったが先に退院したのはシュウであった。「もうほんと馬っ鹿じゃないのっ!」 国際指名手配犯であるシュウの素性を隠し堂々と州軍病院に匿うよう手配したのはセニアだった。厳密には魔装機神操者の「特...
WONDERLAND

WONDERLAND 【第二部 開園に向けて】

第四話(一)サルタス・ドゴス サルタス・ドゴス。 すべての始まりはこの男だった。 ラングランでも大手の製薬会社ドゴス製薬の二代目社長。父であった先代社長の後を継ぎ生来の経営センスをもってわずか数年で会社を躍進させた成功者。 また、親子二代に...
WONDERLAND

WONDERLAND 第一部 滅びの不思議の国

第一話 ようこそ、滅びの不思議の国へ この世には悪夢という言葉ある。恐ろしい夢。縁起の悪い夢のことだ。では、今目の前に広がるこの「世界」は何なのだろうか。「どこだよここは……」 ここが現実世界でないことだけはひと目で知れた。 なぜなら目の前...
夏の庭

夏空から、あなたへ

第一章 嚆矢 それは彼らが【世界】に向けて放った一矢 彼らは抵抗する、徹底的に抵抗する 長い長い試行錯誤と長い長い抵抗をもって彼らは【世界】に叛逆する すなわちハッピーエンドによるバッドエンドの殺害・・・・・・・・・である
夏の庭

夏の庭 – 裏

第一章 この腕で眠る彼を見て誰が 国葬。マサキの地位と功績を鑑みれば妥当な判断だろう。場所は王都最大のエレメス大聖堂。これほどの規模の葬儀を執り行うのだ。他に選択肢などあるまい。だが、これは何だ。 侵入・脱出経路を確保するために警備関連を含...
夏の庭

夏の庭 – 表

第一章 撃鉄 これは剪定された「本当の」明日 ifが握りつぶした終焉 ここは「めでたしめでたし」が死んでしまった世界線 誰も彼もが袋小路に突っ立って明日にも行けず昨日にも戻れない 【夏の庭】は閉じられたまま 怒りと悪意と憎悪はただただ坂道を...
夏の庭

夏の庭-前日譚

第一章 飛行機雲はもう見えない 泣いてしまえば、よかっただろうか 繋いだ手を放して 風が歌う 名も知れぬ鳥の群れが夏空を舞う 風切り羽が夏空に記す鳥の詩 海辺にある過疎の村。かつては堤防沿いに観光列車が走っていたらしい。廃線になって久しい線...
長編・シリーズ

最悪な男

テリウス・グラン・ビルセイアの述懐 急ぎの用事があると呼び出されてテリウスが向かった先はテイシスシェルトン。創業二三〇〇年を超えるラングラン最古の高級ホテルであった。「【認識阻害の魔術】ってほんと便利だなあ」 相手の認識を阻害することで自ら...
長編・シリーズ

南風が集う場所

第一話 南風が集う場所 これは世にいう過保護なのではなかろうか。平素はもちろん戦場ではいっそ冷酷なほど辛辣だというのにこちらから住居に押しかけたときは鬱陶しいほどに構ってくる。かと思えば日頃の疲労もあってうたた寝をしがちなマサキのためにリビ...